FARO Focus プレミアム 3D レーザースキャナーは、アメリカフロリダ州の3D 測定およびイメージング技術を専門とする企業 FARO 社が提供する製品です。他の3Dスキャナーと比べ、精度が非常に高いため、建築・建設、エンジニアリングなど様々な分野で導入されています。
FAROレーザースキャナーとは
2023年時点、FARO社製レーザースキャナとして最新機種となるのが「FARO Focus Premium」です。同シリーズからは、それぞれ350/150/70 と最大撮影距離が異なるタイプが展開されています。
レーザースキャナーの原理
レーザースキャナーとは、対象物の空間位置情報を取得する計測装置のことです。レーザースキャナーから照射されるレーザー光線を用いて、点群データと呼ばれる計測結果を取得し、距離や角度を計測します。
また、点群データは、点が群れているように見えるほど大量の点の集まりで、ひとつひとつの点には、照射物のわずかな凹凸も空間座標(x、y、z)で記録されており、照射物の形状を精密にデータ化します。
FAROレーザースキャナーは、解像度、品質、色付けなど様々な設定ができ、撮影したい場所や作業工程によって柔軟に対応できます。
![](https://dronping.jp/wp-content/uploads/2023/08/img_9763.png)
FAROアプリ Stream
FAROで撮影した点群データをタブレット端末などに随時転送することができるアプリです。これまでのFAROだと都度、PCにSDカードを挿入し転送していたので、かなり楽になりました。
各スキャンで取得した点群データの簡単な位置合わせはこのアプリでやってくれます
![](https://dronping.jp/wp-content/uploads/2023/08/img_9762.png)
![](https://dronping.jp/wp-content/uploads/2023/08/img_9761.png)
FAROソフトウェア SCENE
FARO Focus プレミアム 3D レーザースキャナーにより撮影した空間データをSCENEで処理します。私がはじめてSCENEを使った5年前よりも日々バージョンアップしており、いまでは編集時間がかなり短くなっています。
FARO クラウドSphere
FARO Sphereは、クラウドベースの情報プラットフォームです。クラウドを活用することで、データ管理が容易になります。
他機器との比較
他の3Dスキャナーと比べ、精度が非常に高い
アメリカフロリダのFARO社で販売する3Dスキャナ。点群の取得数や解像度など高性能
比較項目 | FARO Focus Premium 350 | Matterport pro3 | Leica BLK360 G2 |
---|---|---|---|
屋外撮影 | 〇 | 〇 | 〇 |
計測時間 | 約60s~ | 20s/箇所未満 | 約50s~ |
最大撮影距離 | 約350m | 約100m | 約45m |
三次元位置精度 | ±2mm@10m | ±20mm@10m | ±4mm@10m |
測定速度 | 200万点/秒 | 10万点/秒 | 68万点/秒 |
最大画像解像度 | 266MP | 134.2MP | 不明 |
三脚等セット価格※ | 約800万 | 約150万円 | 約400万円 |
重量 | 4.4kg | 2.2kg | 0.85kg |
IP保護等級 | IP54 | IP43 | IP54 |
出典:FARO公式サイト,Matterport公式サイト,2023年8月時点
FAROの導入事例
FAROで撮影したデータは、RebroやInfipoints、AutoCADなどといったソフトを併用して、様々な分野で導入されいています。
BIM活用事例
FAROの撮影により、建物形状・地理空間情報などを属性情報として付加した3Dビルディングモデルを構築し、建物の情報共有、計測、管理などに活用する
- プラント設備の干渉チェック
- 工場施設のレイアウト変更
- 計測
ドローンを活用した陸空撮影
地上からの点群データと高解像カメラ搭載ドローンの画像データを組み合わせて、地上からの撮影だけでは難しい対象物の3D点群データを取得する。
地下部と地上の3次元可視化
3Dマップのスケルカーなどで地下部を3次元化計測したデータと地上で撮影したFAROのデータを組み合わせて地下部と地上の3次元可視化する。
フォトグラメトリー
2022年に解体されたメタボリズムの名建築『中銀カプセルタワービル』を、FAROや一眼レフ、ドローンを活用して空間データを取得・記録し、フォトグラメトリにより3Dデジタルアーカイブとして保管した。
まとめ
導入事例でもご紹介したとおり、FAROは、寸法計測や土量計測、3Dモデル化、CAD図面化、干渉チェックなどさまざまな用途で使用できる3Dスキャナーです。
マターポートとは用途も違い、本格3D計測機器として今後も進展に期待されます。
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